2025/03/28 14:41
3月中旬、早咲きの桜が咲き始めた穏やかな午後。
奈良県広陵町、馬見丘陵公園のすぐ隣にある
「奈良のいちごやん」(青木健太郎さん)のいちご農園を訪問しました。
現在はちょうど収穫の最盛期。ハウスの中に一歩足を踏み入れると、ふわりと甘い香りが漂います。
目の前には、艶やかで真っ赤に実った大粒のいちごがずらりと並び、まるで宝石のように輝いているではありませんか!
「もう香りも感じないんです」と笑いながら話してくれるのは、農家であり、事業家でもある青木健太郎さん。
この農園で育てられているのは、奈良県でしか栽培が許可されていない品種「古都華(ことか)」。
濃いルビー色に染まった果実は、フルーティーワインのような芳醇な香りを放ちます。
一般的ないちごに比べ糖度が高く、濃厚な甘さの中に程よい酸味が感じられるバランスの良さが魅力。
ひと口頬張ると、口いっぱいに広がる豊かな風味。
しかし、古都華の栽培は非常に難しく、高度な技術と膨大な手間ひまを要します。
土作りから肥料、水の管理まで細かく計算し、徹底したこだわりのもとで栽培。
また、農薬の使用を極力抑えるため、食物連鎖を利用した害虫駆除を導入。
そのまま生で食べる作物だからこそ、安心・安全ないちご作りを実践されていました。
こうして手間ひまかけて育てられた古都華は、一粒一粒が鮮やかで、香りも味わいも格別。
まさに奈良県ならではの特別な逸品です。
生産者の高度な技術と並々ならぬ情熱が詰まった「奈良のいちごやん」の古都華。
ここで味わういちごは、まさに極上の美味しさでした。